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​~フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルへのオマージュ~

フィルハーモニア・ブラス・アンサンブル

2017年5月19日(金)19:00開演 第一生命ホール

第1部
バード:オックスフォード伯爵の行進曲
ブル:パヴァーヌ
ブル:王の狩のジーグ
ガブリエリ:ピアノとフォルテのソナタ
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ケッツァー:ブラス・シンフォニー

第2部
デュカス:舞踏劇《ラ・ペリ》より“ファンファーレ”
パーカー:組曲「ニューヨークのロンドンっ子」より
       ハーレム街の響き
       クライスラービル
       セントラル・パーク
ヘイゼル:3匹の猫
     ブラック・サム/バーリッジ/ミスター・ジャムス
ヘイゼル:もう一匹の猫~クラーケン
カンダー:ミュージカル「シカゴ」より
     序曲/オール・ザット・ジャズ/ロキシー/ホエン・ユーアー・グッド・トゥ・ママ/ウィ・ボース・リーチド・フォア・ザ・ガン

​ 
トランペット:ジェイソン・エヴァンス(フィルハーモニア管弦楽団首席トランペット奏者)
アリステアー・マッキー(フィルハーモニア管弦楽団首席トランペット奏者)
マーク・カルダー/ロバート・ファーレイ
ホルン:ジョナサン・マロニー
トロンボーン:バイロン・フルチャー(フィルハーモニア管弦楽団首席トロンボーン奏者)
フィリップ・ホワイト/リチャード・ワトキン/ポール・ミルナー
テューバ:ペーター・スミス

というわけで、PJBEスタイルのtp4tb4HrTbaという編成。ピアノとフォルテのソナタのみ8本(tpの1人が指揮で、Tbaはお休み)で、残りはすべて10本で演奏。エンターテイメントな要素は少なく、曲目も併せてPJBE感満載。そもそもPJBEが解散してずいぶん経ちますし、後継のロンドン・ブラスというアンサンブルもある中で、フィルハーモニア管の奏者を中心としたグループが組まれること自体、感慨深いものがあります。しかし、全体に音が厚く、往年のPJBEの”音"を感じることはできませんでした。当たり前といえばその通りですが、あのちょっとぺらっとした(失礼!)特有のサウンドは聴けませんでした。もちろん上手いです。アンサンブルとしては素晴らしい。いくつか事故もありましたけど(笑)。

 事故といえばMC。曲間でメンバーのMCがかなりの頻度で入るためか、通訳が付きましたが、これが私が聞き取れた範囲でもあきらかな誤訳や大事なセンテンスをスルーするなどが散見され、ちょっと問題だったと思います。何しろ集客の惹句にPJBEを使っているのだから、翻訳者もある程度知っている人でないとねえ。プレムルー氏をご存じないようで、会場からも失笑が。

 演奏について、素晴らしい内容ではあったと思いますが、どうせなら徹底的にPJBEにしてもらえると尚よかったと思います。曲の締めやアンコールもPJBEにして欲しかったなあ(アンコールは古箏曲「さくら」をアレンジしたものでした)​

 ご一緒したシカゴ教の教祖様によれば、J.フレッチャー氏は実演でかなり楽譜をいじっていたので、どうせならそこまで再現してほしかったとのこと。さすが筋金入り!それと、気になったのはアインザッツで、冒頭の出だしはともかく、曲の途中で「パン」と合わせるところに探り合いを感じ、PJBEの特徴の一つである音の立ち上がりについても残念な感じだったと。このことは1部と2部の間の休憩時に聞かされましたので、1部では全く気にならなかった、というか気が付かなかったのに、2部では結構気になってしまいました(笑)。

 終演後短時間でしたが、教祖様と軽い食事をしながらコンサートの余韻に浸ることもできました。贅沢な平日の夜でした。

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