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徳田央生 

探偵サイトへようこそ ★★★ 20121119 webサイトの掲示板で探偵コーナーを舞台に、いまどき(といっても、もうすでにかなり前の話)の世状を反映させたような物語。しかしながらリアルさを狙ったなら、もっと伏線を請ってほしいし、バーチャルな世界を遊ぶなら、もっとコメディに振っても良かったのでは、と思いました。 題材的には面白いと思いますが、あまり印象に残りませんでした。

高野 和明 

6時間後に君は死ぬ ★★★★ 20130814
 5編の連作。予知のパラドックス(先のことがわかって、それを回避してしまったら、先のことがわかったことにはならない)を見事に物語りに仕立てた傑作です。
 とにかく、エピローグ。こういったエピローグが効果的な場合もあるでしょうけど、ここは登場人物に直接関連するような記述にして欲しかった。これは本当に残念でした。

 

日明 恩

ギフト ★★★★★ 20130812
 6編の連作。某映画と同じシチュエーションで、成仏しなかった死者が見える少年が登場。主人公はある事件をきっかけに若くして退職した元刑事。コンビで事件を解き明かしていきます。
 エピローグ前の章で、相手の親が主人公に「ゆるしてくれ。」というセリフ。電車の中で読んでいたのですが、不覚にも目頭が、、、ハンカチが必要でした。それにしても私は涙腺が緩くなったなー。

高嶋哲夫 


ファイアー・フライ ★★★★★ 20130826
面白い!本作に極悪人は出てこなくて、何かほっとします。犯罪の描写はかなりリアルで、このまま映画化できそうに思いました。
主人公にとっては、ハッピーエンドとは言いがたいでしょうが、決して後味は悪くない。むしろこのくらいがちょうど良くて、読む人によっては物足りないくらいかもしれません。昔のひねくれた私なら、もっと絶望的な終わり方を望んだでしょうけど(笑)。
 

 

東京大洪水 ★★★★★ 20130626
 高嶋災害三部作のラスト。改めてリアルな災害描写がすごいと思います。約550ページを費やした作品だけのことはあります。読み応え満点。
 三部作で全体の時間軸は1本でつながっていますが、発表順と物語の時系列が異なっていて、これは1作目「M8」と「TSUNAMI 津波」の間に位置しています。私は発表順に読みましたが、解説では時系列順に読んだほうがよいかも、としていました。

TSUNAMI津波

★★★★★

20121128

 高嶋先生の災害3部作の2本目。骨太で東北地震の前に書かれたとは思えないすごい描写の連続です。津波と原子力発電所、発表された当時はこの作品がどのように受け入れられたのか、気になりました。

 解説によれば、時系列的には災害3部作のしめくくりで、この作品を最後に読んだほうがよいかも、と書いてありました。先に言ってくれ(笑い)。

 

冥府の使者

★★★★★

20120303

 なかなか重い話でした。核兵器については、以前なら絵空事のように感じたと思いますが、原発事故を目の当たりにしてしまうと、やはり感じ方が変わります。物語自体は複雑な人間関係が、スリリングな話の展開と合わせて奥行きのある構成となっていて、読み応えがありました。

とにかく、作者は実際に原子力の研究に携わっていたそうですから、内容にリアリティがあります。そして、ちょっと怖い。

 

風をつかまえて

★★★★★

20120111

 「下町ロケット」みたいな雰囲気の小説ですが、3.11のあとに、刊行された色々ひかれる作品。

自然エネルギー利用のなかの風車。職業柄大変興味をもって読むことができました。描写もディテールもさすが高嶋先生です。今度は太陽熱も取り上げて欲しい(笑)。

 

ペトロバグ -禁断の石油生成菌-

★★★★★ 

110521

 この展開ではラストが悲しすぎます。一応希望の見える終わり方なのだけれども、ヒロインが、、、やっぱり、気持ちが見えるかたちで報われる結末が良いなー。

副題の通り石油生成菌にまつわるサスペンス小説で、菌自体はすでに何度も話題になっていますが、残念ながら実用レベルにはいろいろな難問が残っているようみたいで。

 

メルトダウン

★★★★

110219

 これも原発ネタか、とおもいきや、原爆でした。。。本作も骨太ですが、このところ読んだクライシスものに比べると、やや“浅い”感じがしないでもないような。

 主人公を2人置いて、それぞれの側から物語の全体像が解きほぐされていきます。ある意味ひとつぶで2度おいしい?

 

都庁爆破!

★★★★★★

101122

 高嶋先生の作品は本当に面白い。ぐいぐいひきこまれて、あっという間に読了。途中悲しいシーンもありますが、読後感もとても良いです。ひねくれたひねりもなく、堂々のストーリー展開。

 都庁には何度も訪れているので、よけいに面白さが増しました。

 

スピカ 

★★★★

100404

 これも現実離れなのですが、個々の描写はとてもリアルで、著者が元本職のジャンルなだけに迫力を感じます。なかなかみえてこない各人の本当の思惑と、大団円的な決着にもかかわらず、続編のための布石のような部分もあり。

核については、現実に不可欠なエネルギー資源になっていますが、廃棄物や放射能の問題など、不安材料はたくさんあります。そんなことを深く考えさせられる作品でした。

 

フレンズ 

★★★

100320

 かなり悲しいお話です。しかしあまりに現実離れしていて、起こったことはリアルなのに、主人公達の行動がちょっとここまで行ってしまうと。。。更に「おじさん」の存在。これは周到に布石を打っておいて、結末に至るところでうまく着地させて欲しかった。

 やりすぎな部分を少しセーブして、ある程度予定調和でよいので、「おじさん」まで含めて大団円にもってこれたら涙がでたかも。

 

M8

★★★★★

100302

 エムエイトと読みます。東海地震の危険性が叫ばれて久しい中、東京に巨大地震が来たら、という小説です。かなり生々しい描写もあり、本当に地震が来たら、を考えながら読まざるをえませんでした。家に押しつぶされて死ぬ。想像もつきませんが、もし深夜に熟睡していた時だったら、、、恐ろしい。

更に文庫では、巻末に本物の災害研究をされている学者による解説が読めます。現実の世界で防災に取り組んでいらっしゃる専門家からの目に、この小説がどのようにうつったか、たいへん興味深い内容でした。この解説が更にこの作品の価値を高めているといえるのではないでしょうか。

 

ミッドナイトイーグル

★★★★

 2009.3.25

同名の映画の方を先に観てしまいましたが、さすが、小説の方がよりディテールに矛盾がないように書き込んであるように感じました。

ストーリー自体はスゴイことになっていて、なにしろ米軍のステルスが核を積んだまま日本の山中に墜落。そこに巻き込まれていくカメラマンと別居中の妻。手に汗握るサスペンス

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