top of page

長岡弘樹 

傍聞き ★★★★★ 201311154編からなる短編集。気持ちよく読み進められました。どれもよかったのですが、特に表題作は、ラストでちょっと涙腺が…。表題作は「2012年日本推理作家協会賞短編賞部門」受賞作だそうです。文庫本の帯には“この20年間で最高の傑作!”と。確かに面白かったけど、さすがにそれはちょっといいすぎでは…

沼田まほかる 

九月が永遠に続けば ★★★★ 20131105

 なるほど、そういうことか、と読み終わって表紙を見直して思いました。精神的な世界観の描写がやや重すぎる感じで、なかなか感情移入しにくくなってしまい、十分味わえなかったという感じです。話題作となっていたので、いつか読んでみようと思っていた作品のひとつ。期待した穂ではなかったというのが本音。けっしてつまらなかったわけではありませんが。

法月倫太郎 

しらみつぶしの時計 ★★★★ 20130719
 10編からなる短編集。いくつかはガチの本格で法月先生のファンにはうれしい構成と思います。表題作の「しらみー」は本格とはちょっと意味が違うような気はしますが、パズルとしては極上です。
 個人的には?の作もいくつか。特に「猫の巡礼」なんて、???って感じです。

七尾与史 


殺戮ガール ★★★★★ 20130710
 誉田先生の「ヒトリシズカ」を思い出したのは私だけではないだろうと思います。救いのない話としては、あちらが完結しているのに対し、こちらは続編も可能な分、更なる物語の救いのなさが延長される可能性がありますが(何のこっちゃ)。
 しかし、ミステリとしては良くできていて、大きな話の流れと、冒頭からの描写などがとてもよく練られていてつながって行くのは、読んでいて感心しました。これも“ミステリ”の醍醐味でしょう。

鳴海 章 

ニューナンブ ★★★★ 20130901
なかなか骨太のハードボイルド。題名はもちろん日本の警察が使用している拳銃で、第1章からけっこう衝撃的な描写で始まります。途中にも拳銃の細かい描写をはさんでリアリティが増します。でも着地点は、、、
文庫本で約500ページですが、なんと最初は書き下ろしでもっと長かったのを縮めてこの尺になったとのこと。加筆は良く聞きますが、短縮は珍しいのでは。

 

 

狼の血 ★★★★ 20130705
 700ページ超の長編。平凡なサラリーマンが中学時代の同級生の来訪をきっかけに人生が狂っていく。すごくディープで骨太な物語。
そして衝撃の結末。ハンマーで殴られた感じの終わり。この着地点が違っていたら星を倍にしたいところですが、、、これはこうなるしかないのかな。

 

強行偵察 ★★★★★ 20130309

 長編ハードボイルド。リアルな(と思わせるような)描写が読み応えにつながります。銃の扱いや、敵地潜入の行動手順など、例えうそでもこのような描きこみが臨場感を生み、読み手を離さなくなると思います。

ラストが意外とテンポ早く駆け抜けてしまうので、ここにももう少しページを割いて混乱した状態と、主人公の“プロ”を見せて欲しかったと思います。何もかもハッピーエンドとまではいきませんが、読後感も悪くありません。

 

えれじい ★★★★★ 20121016

 主人公は、実は若き鳴沢了では、と思うのは場違いですね。第1章で、面白くなりそうな予感満載のスタートを切り、2章冒頭でいきなり予想外の展開。ハンマーで殴られたような気になりました。

 感動のラストシーン。終章の手前のセリフで泣けました。それまでの500ページ近い物語がそこに集約されたように感じます。おしむらくは、これが3部作の最終作だったのを知らなかったこと。ぜひ順番どおりに読みたかった。

bottom of page