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ベルリンフィルの金管

ベルリン・フィルハーモニー・ブラス・クインテット update 1999.7.12

 

 ベルリンフィルの金管アンサンブルでは、まず80年に来日したアンサンブルがあります。このときは「ベルリン・フィルハーモニー・ブラスアンサンブル」。確かトランペットとトロンボーン4本づつの8重奏だったと思います。名古屋公演もありました。また、TpのK.グロートさんやM.クレッツァーさんはドイツ金管5重奏団にも参加しています。(クレッツァーさんはバンベルグ響のR.ストイアルトさんと70年代末頃交代しているらしい。)また、この5重奏団は84年にご存じ「ジャーマン・ブラス」へ改称して10人編成となっています。そして、その翌年85年に、今回来日した「ベルリン・フィルハーモニー・ブラス・クインテット」が結成されるのでした。なんだかややこしいですが、さらに各団体もメンバーが固定ではないので、きちんと把握するのは難しそうです。

 というわけで、99年7月10日岐阜県の「サラマンカ・ホール」にての演奏会を聴きに行ってきました。メンバーはコンラディン・グロート,マルティン・クレッツアー(Tp),クラウス・ヴァレンドルフ(Hr),クリストハルト・ゲスリング(Tb),パウル・ヒュムペル(Tba)(敬称略)。曲目は95年来日とあまり変わってないような気がしましたが、前半クラシカル、後半エンターテイメント性の強い曲目でした。個人的にはボザの「フランス組曲」が曲想にあった美しい演奏でよかったです。また、1曲目の「セビリアの理髪師」も編曲の妙味もあって聴き応えが合ったと思います。観客の集中して聴いていた(と思う)ので、シンと静まった会場に残る曲の終わりの残響がとても心地よかったです(勿論その後の拍手はせいだいでした)。また、カーテンコールの回数も多く、アンコールも3曲ありました。(だんご3兄弟も笑いましたが、Hrのヴァレンドルフさんが、ポルカのリズムに合わせて“東京の地下鉄の駅名”を早口言葉のように歌っていくおまけ演奏には場内爆笑でした。)ちなみに終演後すでにタクシーに乗り込んだメンバーに強引にサインをねだった最後の1人が私です。(汗)

 

お薦め盤

この5重奏のアルバムは持っていない(出ているのかすら知らない?)ので、文中で紹介したドイツ金管5重奏団とジャーマンブラスから1枚ずつ推薦盤を。

 「Brass Symphony」 (Schallplatten FSM63 405):ドイツ金管5重奏団で、Tpは同じ,Hr:W.ガーク,Tb:E.クレスポ,Tba:D.チェコビッツ。クレスポさんの曲の他、エワルドの1番の端正な演奏が聴けます。

 「BACH 300」 (EMI 2701961) これがデビュー盤。Tp:K.グロート・R.ストイアルト・G.ヒルザー・K.H.ハルダー,Hr:W.ガーク・R.ブラトコビッチ,Tb:E.クレスポ・H.リース・J.ミッテルアハー,Tba:W.ヒルガース。クレスポの編曲したバッハが堪能できます。なお、国内発売されたCD『ジャーマン・ブラス・デビュー』はこのアルバムを含め、何枚かの既発売のコンピレーションです。また、この国内盤のライナーノーツの演奏者表は不完全のようです。

◎いずれも外盤ADですが、少なくとも「BACH 300」はCD化されているようです。

追記:特にお薦めはしませんが先のベルリンフィルの8重奏のアルバムを紹介しておきます。

 「ブラスの饗宴」(グラモフォン MG1256)

 「ブラスのクリスマス」(グラモフォン MG1161)

Tp:M.クレッツァー・K.グロート・G.ヒルザー・H.アイヒラー,Tb:G.チェスリク・J.ドムス・H-D.シュヴァルツ・K.H.ウチシュ(読み方違ってたらご勘弁)

いずれも国内盤です。なお、演奏者について上記は「~饗宴」のもので、クレッツァー,グロートは、「~クリスマス」では逆順に紹介されていますので1st2ndが入れ替わっているかも知れません。(他のパートもメンバーは同じだがクレジット順が異なる)もっとも、「~饗宴」はガブリエリなどを収録しているので、それぞれの群で高域を受け持っていれば同じことかも知れません。また、「~饗宴」ティンパニのO.フォークラーも参加しています。

それから、肝心の当クインテットですが、今回の来日コンサートのパンフレットにカナディアン・ブラスと共演したアルバムがデビューCDと書かれていました。(そういえば持っていたような気がする。…汗)。

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